惑星

惑星の定義

 西洋占星術における惑星は、主役の座を占めるものです。
 惑星を把握しておかなければ、西洋占星術としては成り立ちません。


1.西洋占星術の惑星

 西洋占星術は、今から約2,500年前に整いました。それ以前から、星座による占いは在ったのかもしれませんが、西洋占星術として整えられたのは、4つのエレメントが哲学者エンペドクロス(前492~前432頃)によって唱えられてから以降、又、12のサインがカルディア人によって考案されて(紀元前5世紀頃)から以降のことです。12サインと星座は異なっています。

 私たちは、西洋占星術のチャートの中にこれらの要素を見つけますから、4つのエレメントや12のサインができていない時代に、既に西洋占星術が在ったのだと言い張ることはできません。

 さて、惑星と軽く呼んでしまっていますが、惑星には歴記とした定義めいたものがあります。表立って書き著されているわけではありませんが、プトレマイックな天球にそれを見ることができます。また、時間の配分を任されているのは惑星しかありません。多くの星々が空にちりばめられていながら、惑星が惑星として西洋占星術上の主役になれる理由は、時間を司る役割があるからです。下記の天宮図を見てください。

 上記の天球を見ていただくとお分かりのように、惑星は七つしかありません。天文学的に発見されていなかったからという理由の他に、惑星は時間の支配星にもなっています。つまり、月曜日、火曜日、水曜日といった一日一日を支配すると同時に、一時間一時間も惑星たちによって、上記の土星から月の並び方で配分されています。

 時間の支配星って? 聞かれたことは無いかもしれません。でも、ネイタルのざっくりとした判断では、時間の支配星からその人の人生を判断するプロセスもあります。知らないからといって「無い」ことにはなりません。古典的なネイタルの本には必ずといっていい程、出てきます。


2.時間を司る惑星

 惑星は、どのように時間を司っているのでしょうか。

 1日24時間。西洋占星術では、というよりも、太陽暦では日曜日は、太陽が東の空から昇った時(日の出の時)に、太陽の時間が始まることから日曜日と定義されます。次の月曜日は、太陽が東の空から昇った時(日の出)に、月の時間が始まるので、月曜日となります。火曜日は、日の出と共に火星の時間が始まることから火曜日に、水曜日は、日の出とともに水星の時間が始まるからです。

 太陽の時間(惑星時間の1時間)の次は、金星の時間になり、次は水星の時間、月の時間、土星の時間、木星の時間、火星の時間、そして、太陽の時間と西洋占星術が始まって以来、ず~っと連綿と続いてきました。歴史の中を潜り抜けて連綿と続けられていることは、とても稀な事です。

 この時間を支配する惑星の並び順を、カルディアン・オーダーと呼びます。ですから、カレンダーと深い関係があり、月曜日、火曜日、水曜日・・・ を形成しています。惑星の並び順の方は、月・火星・水星と並んでいるわけではなく、上記のプトレマイックな天球にあるように、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月・土星・木星・・・ と連綿と続く並び方になります。

 例えば、日曜日の日の出とともに太陽の時間となれば、日曜日の次の1時間は金星の時間、次は水星の時間、月の時間、カルディアン・オーダーの元の配列に戻って、土星の時間、木星の時間、火星の時間、太陽の時間と24回くぐり抜けます。すると、25回目、つまり、日曜日の日の出から数えた次の日の日の出である25時間目に、月の支配する時間になります。つまり、月曜日になるわけです。

 このように、私たちは地球中心説に基づく惑星時間によって、月曜日から日曜日までを決定しているのです。カルディアン・オーダーの痕跡は西洋占星術の中だけに留まらず、今日の生活にも生かされています。惑星は七つです。