レシーブとリセプション

ヒエログリフ

レシーブとリセプション


 レシーブとリセプションの概念は(充分古いのですが)、現代では新しい感覚のものになります。西洋占星術のホロスコープを読み解くためには、レシーブ、アスペクト、ディグニティーの知識が必要とされます。リセプションとは、上記3つの中の、レシーブとアスペクトが揃ったときに自然に生じる概念です。この背後には、西洋占星術の哲学があります。それは、古代から引き継がれてきた叡智です。
 

 どのような考え方(哲学)かというと、ホストとゲストとなる惑星を想像すると理解できます。サインの支配星やイグザルテーションの支配星、レッサー・ディグニティー[ターム、トリプリシティー、フェイスのディグニティー]を2つ持った惑星がホスト役になれます。下にある図では、土星がホスト役となります。

 

 ホストの土星は、ゲストの水星に対して、水星の持つ希望を叶えようとします。♒のサインでは土星のディグニティーが非常に高く順行もしているので、水星が土星とコンタクトを取れたときに、適切で希望通りの恩恵を受けることができます。これは、コンジャンクションだけではなく、アスペクトでも生じます。土星が♊のサインに入っていてディグニティーを持たなくても、それなりの恩恵を♒のサインを通過中の水星に与えます。
 

 リセプションは、新しい感覚ではなく古いテクニックです。
 

 レシーブを理解すると、リセプションが分かってきます。惑星は絶えずどこかのサインにレシーブされています。そのサインをお皿(プレート)のようにとらえることでレシーブが理解できます。(下図)
 

サインが惑星をレシーブ
サインが惑星をレシーブ

 上の図では♒のサインの意味を簡略にして、惑星が惑星をレシーブしているとも考えられます。何故なら、サインは元々惑星の塊で、それが層を成して通過する惑星をレシーブする感覚に近くなるからです。
 

 言葉としても残っていて、サイン同士のアスペクトのことをプレート・チック・アスペクト=プレイチック・アスペクトとも呼びます。これで、惑星と惑星の主役同士の関係がチャートから見えてくることになります。そう観察しないと、どうしても♒のサインの意味が先行してしまうことになります。サインは背景に過ぎません。惑星に関わる意味は、関係している惑星(その状態と意義)、次にハウスの意味、そして、最後にサインのエレメントと惑星のエレメントの相互関係比較や、アスペクトの意味が加わります。
 

 上の図では、通過中の水星は土星に強くレシーブされ、タームとフェイスにある金星からレシーブされることになります。土星は土星自身にレシーブされていますが、これをディグニティーを持つと表現します。自分の家に居て、安心感を持つことに喩えられてきました。やがて水星は土星とコンジャンクションします。レシーブと接合がそろうと、リセプションとなります。
 

リセプションの完成

 リセプションが生じると、水星はホスト役である土星にその時に持つ要求を叶えてもらえることになります。これが夜のチャートであれば、水星も♒のサインのトリプリシティーで自分自身で自分をレシーブをするディグニティーを持つことになりますから、土星から恩恵を被り、自分自身も少しく品位のある状態となるため、土星に返礼も為し、大変好ましい環境に置かれることになります。
 

 ◆ 西洋占星術のリセプション

 
 リセプションは、別の視点からチャートを解釈します。つまり、サインを支配している惑星からの視点です。チャートが目の前にあると、どうしてもその中を動いている惑星にしか注意が届きません。ロード(支配星)からの視点が、もう片方に絶対に必要になります。それを練習を兼ねて把握するためにも、ホラリー占星術から取り組んだ方が西洋占星術を理解し易いのです。
 

2.リセプションの役割

 
 リセプションは、惑星が別の惑星に対して、どのような気持ちを持っているからを悟らせます。リセプションは、惑星が惑星に対して、どのような状態にあるかをも語ります。地上にこの影響が下ろされると、当該の人・物がその本質に沿う形で動いていきます。ただ、人は自由意志を持つので、変更は可能です。
 

 変更は可能であっても、他人と過去は変えるのは難しく、自分の選択を変えることで未来を取捨選択できる場合もあります。相手が在る話の場合、なかなか状況を変えることが難しいことが分かるでしょう。
 

 チャートは、時間によって惑星の位置が異なりますが、サインを支配している惑星たちはずっと昔から同じ場所を支配し続けています。♈のサインのロードは火星であり続けていました。また、イグザルテーションの惑星も、太陽から別の惑星に変わったことは一度もありません。
 

 選択可能な未来は、試験や彼とのデートを使って試すことができます。チャートに試験に受かると出た場合に、試験を受けずに済ませる方法を取れば、おそらく、試験に通らないでしょう。彼と会えると出たチャートで、彼に会いに行かなければ、きっと彼とは会えません。未来を変えることができるのは、このような場合のことを言います。
 

 それでは変わったことにはならないと言われそうですが、時には他の事柄でも変えることができることが分かるはずです。