ネ イ タ ル 西 洋 占 星 術

テーマ・ムンディ(世界の誕生のチャート) I

項目トップ 大鏡の扉


■ テーマ・ムンディ(Thema Mundi)I

テーマ・ムンディと、サインのルーラー

現在の天皇陛下も、明け方に日本の安寧を願って祈りを捧げていらっしゃいます。おそらくエジプトの神官たちも祈りを毎朝捧げ、明け方の空を見ていたものと思われます。すると、少なくとも午前3:30には準備を始めないと間に合いません。

過去、エジプトでは毎年ナイル川が氾濫しました。その時期は、夜明け前にシリウスが東の空に昇ってくる時期になります。太陽とシリウスがコンジャンクションしている頃は、まだナイル川の氾濫に時間があることになります。徐々に太陽は、(コンステレーションの)かに座からしし座へ移動します。すると、ナイル川の氾濫の時期が到来します。その頃には、徐々に明け方の空にシリウスが上昇し見え始めるのですが、シリウスが明るく輝き始める時を喫して、年によって数日のずれはあったとは思いますが、おおよそ太陽がしし座にある時に氾濫が起きました。

同時に、エジプトではそれを機会に新年としました。氾濫を新年に関連付けたのはストア哲学の影響です。物事の絶え間ない破壊と再生で、物事が刷新されることになるとの教義に附随しているように思います。氾濫により改まることと関連させ、星に包まれた魂の再生は世界の誕生にふさわしと考えたのです。そこから、毎年の新年の始まりともなります。そのためか、エジプトだけは既に太陽暦を採用していました。

東の空にシリウスが輝くとき、太陽はしし座になります。必然的にアセンダントは蟹のサインになります。ですから、テーマ・ムンディ(同時にエジプトの新年)で、アセンダントが蟹のサインに決められたのです。下記のチャートは、サイドリアル方式にしてサインをシリウスの見え始めるころに設定したものです。この頃のサイドリアル方式は、ほぼトロイピカル方式と同じ場所に星座が置かれます。トロピカル方式がプトレマイオスによって提唱される100年も前(紀元前100年~150年)のことです。

フィルミクス・マーテルナスは同時に「世界の誕生のチャートというのは実際には存在しない。宇宙の始まりには人は存在しなかったし、時を特定することもできない。」(Mathesis III.1.9)とも述べています。また、「このチャートは世界の実際の誕生日を表しているのではなく、むしろ古代の賢者たちが “占星術師が人間のチャートに従うためのひな型” として作成した教育装置である」(Mathesis III.1.10)と付け加えます。誕生のチャートは、全く占星術的な教育用のチャートなのです。また、これを考案したことで、各サインのルーラーが決められたと言ってもいいでしょう。

そして、なんと、サインのルーラーが決まる以前から、イグザルテーションのルーラーは決まっていたのです。

 

テーマ・ムンディのアセンダントかにの画像

紀元前100年、7月下旬頃のエジプトでの東の空。サイドリアル方式

したがって、テーマ・ムンディは、エジプトの新年のチャートでした。考えてみると、そこでは太陽だけが獅子のサインのルーラーとして決まります。フィルミクスはその後縷々滔々(るるとうとう)とそれぞれの惑星がどのサインのルーラーになったのかの理由と、惑星個々の対応性を説きます(Mathesis III.1.2~1.14)。すると下記の図となります。(Mathesis III.1.8)

 

テーマ・ムンディ

Thema Mundi

テーマ・ムンディからは、サインのルーラーとアスペクトの基本的な事柄も決まります。セクトを含めて2つのサインをルーラーとして支配(ルーラーシップ)している惑星たちは、どちらのサインがより相応しいかも検討できます。土星は昼セクトの惑星なので、昼のセクトである水瓶のサインの方をより好みます。その位置を占めると歓喜するとされるサインです。同じく昼セクトの木星は、昼セクトに属する男性格のサイン、射手のサインをより好みます。火星は、夜セクトの惑星としては夜のセクトとなる蠍のサインを好みますが、ジェンダーでは男性格なので牡羊のサインを一般的には好むとされます。(ここには異論もあり、火星は夜セクトの惑星として、女性格の♏のサインの方を好むとする見解も存在します)。金星は夜セクトの惑星なので、牡牛のサインの方をより好み、そこに入っているとサインのルーラーとして、トリプリシティーのルーラーとして、女性格のサインとして歓喜状態となります。

水星だけは、太陽のフェーズによって、双子のサインの方を好んだり、乙女のサインの方を好んだりします。

ここまでの段階でフィルミクスは、昼のセクトでの惑星と、夜のセクトでの惑星の働きの違いを、少しずつ少しずつ積み重ねています。セクトが大事だと暗に述べているのです。

また、テーマ・ムンディは、アスペクトがどのような基本的な意味合いを持つのかも説明できるチャートです。占星術では太陽と月が重要な惑星です。このことから、太陽と月(ルミナリーズと言ったり、ライツと述べられたりします)が強く影響力を与えるので、ルイナリーズとのアスペクトを検討していきます。

月が蟹のサインにあると、山羊のサインの土星とオポジションになります(女性格のサイン同士)。太陽が蟹のサインから獅子のサインに移動すると、水瓶のサイン(土星がルーラー)とオポジションになります(男性格のサイン同士)。レトリウスは、この180度からオポジションは土星の性質を持つものとします。

木星は少しややこしい説明になります。同じ男性格同士の獅子のサインに太陽があり、射手のサインに木星があると、木星は太陽と関連付けられトラインになるとします。こちらの方が両方ともセクトでも歓喜しますから、より良い状態です。月が蟹のサインにあって、木星が魚のサインにある場合、木星は同じ女性格のサインである月の居る蟹のサインとトラインになります。

火星の場合は、同じジェンダーであれば、獅子のサインと牡羊のサインであればトライン、そして、蟹のサインと蠍のサインであってもトラインになると説明します。クォータイルのことをフィルミクスは述べていません。

しかし、後の文献では、太陽ある獅子のサインと水瓶のサイン(180度)、射手のサイン(120度)、蠍のサイン(90度)、天秤のサイン(60度)として、それぞれが土星とはオポジションですからオポジションは土星の性質を持ち、木星の支配する射手のサインとはトラインですからトラインは木星の性質を持ち、火星の支配する蠍のサインとは90度ですからクォータイルは火星の性質を持ち、天秤のサインと獅子のサインは60度になりますからセクスタイルは金星の性質を持つと説かれることになります。

■ テーマ・ムンディから導き出されるサインは、いずれは重要な考察に活かされることになります

これらそれぞれのサインと惑星の関係は、ディスポジターとして知られる、それぞれ惑星たちが入っているサインの支配星との関係として、アスペクトを取っているか ⇔ 取っていないか等で詳細に検討されることになります。

ネイタルチャートの例

あるネイタル・チャートの例

例えば上記のようなチャートは夜セクトのチャートです。
木星が入っているサインのイグザルテーションのルーラー(金星です)と密接にアスペクトしていることを考慮の対象にします。
木星は昼セクトの惑星ですが、女性格のサインに入っていて、しかも女性格に入っているセクトの金星から強い支援を受けていると観察します。

木星自身も自身のドミサイルに居ますから、その資源を自由に使えるはずです。ただ、木星は逆セクトの惑星ですから、このままでは本当に強い働きが制限されてしまいます。でも、夜セクトの吉星である金星とのアスペクトはセクスタイルですから、強く制限されることはありません。イグザルテーションのルーラーである夜セクトの金星は、木星に力を貸し刺激してくれます。

伝統的でヘレニステックな占星術では、このように詳細な惑星の分析から入っていきます。


項目トップ テーマ・ムンディ II

 

ホラリー占星術の理論
ホラリー占星術の実占
ホラリー占星術の技術
占星術スクール
占星術教室

電話占い
メール鑑定
トラディッショナルな理論
トラディショナルな占星術
西洋占星術スクール

日本の西洋占星術が大転換します
ホール・サイン方式への移行です
 

占いの館「おひさま」
ホラリー占星術 ブログ
『星の階梯 I 』申込み

Copyright © Mr.ホラリー Kuni Kawachi All right reserved.